2025年11月12日

期間限定「ゴッホ展」レポート 見どころ紹介

ゴッホ

ゴッホ展に行ってきました

ゴッホ

前回の上野ミュージアム巡りのブログで紹介しました東京都美術館で開催されている「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」の詳しいレポートになります。
→詳しくはこちらをご覧ください「ANA・JAL株主優待ユーザー様へ 上野ミュージアム巡りはいかがですか?

今回のテーマはゴッホの「家族」。ゴッホ一家のファミリー・コレクションに焦点が当てられています。
平日にも関わらず当日券チケットカウンターにはかなりの列ができていたので、ANA・JAL株主優待券販売をご利用の皆さまにはオンライン等で事前の購入をお勧めします。

今回の展示の主要人物は主にフィンセント・ファン・ゴッホ、ゴッホの弟のテオ、テオの妻ヨー、テオとヨーの子供のフィンセント・ウィリアムの4人です。

ゴッホの作品は生前数点しか売れなかったと言われており、唯一記録が残るのは『赤い葡萄畑』一点だけというもの。
そんな貧しいゴッホを、生活費から画材費まで全面的に支えたのが弟のテオです。
今で言うとニートなゴッホを支える弟な構図ですが、弟のテオは嫌々支援したのではなく、ゴッホのことが大好きで1番の理解者でした。
テオもゴッホが亡くなった次の年に病死しており、ゴッホの死がショックで精神的に追い詰められたと言われています。

テオの妻のヨーもゴッホの作品を理解し、後世に残すために尽力した超やり手な女性です。
息子フィンセント・ウィリアムもその意思を継ぎ、美術館開設に尽力したということです。

印象に残った作品たち

ごっほ

今回は彼らファミリーが所有していた、ゴッホの作品やゴッホに関わる画家の絵画などが展示されています。
その中からいくつか気に入った絵画をご紹介します。

*撮影禁止でしたので、ポストカードやネットからの写真を引用します。

まず、アドルフ・モンティセリの『花瓶の花』です。(タイトル写真)

写真で見るとあまりわかりませんが、かなりの厚塗りで、鮮やかな色が特徴の絵画です。
この絵は、ゴッホの技法に強い影響を与えたとも言われています。  この展示ではこのようにゴッホに影響を与えた作品が多く並んでいました。

ゴッホが日本の浮世絵から強い影響を受けたのは有名であり、歌川広重の絵など日本の絵もいくつか展示されています。
次はこちら、『喪服のショールをまとう女性』です。

ごっほ

『喪服のショールをまとう女性』

こちらの作品は、光と影の描写が見事だなあと見ていました。
実際に見ると、女性の顔の左側に本当に光が差しているように見えます。
描かれたのはゴッホがオランダのニューネンにいた時。この地で約2年間過ごし、その間に生涯の作品のおよそ4分の1を描いています。

当時のハーグ派の影響か、ゴッホの心理状況か、この頃の作品は暗いものが多く見られます。ゴッホは生涯を通じて農民や職工などの生活を描きましたが、この頃からそれが顕著になっていきます。
次の作品は『画家としての自画像』です。
ごっほ

『画家としての自画像』

テオの妻ヨーが全ての自画像の中で「ゴッホに一番似ている」と評した絵です。

初めてゴッホに会った時、病気がちだと聞いて想像していた姿とは異なり、思っていたよりたくましく健康的な姿に驚いたそうです。
今展覧会の目玉でもあり、ゴッホの色彩センスがよく表れています。

次に『耕された畑(畝)』

ごっほ

『耕された畑(畝)』公開されている画像より

南仏のアルルに移ってからの絵です。やはりアルルでの絵はいいですね!よっぽどアルルが好きだったのかこれまでものと違って色彩豊かで生き生きとしています。

実際にアルルとその後のサン=レミでいくつもの傑作を残しました。ひまわりもアルルでの制作です。(ひまわりは切ない理由で描かれたものもありますが)
この絵の特徴は非常に厚塗りで描かれている点です。近くで見るとその力強さと立体感がはっきりわかります。個人的に「油絵らしい」という理由で厚塗りの絵が好きなのでこちらもお気に入りの絵になりました!
次はこちら。『木底の革靴』です。
ごっほ

『木底の革靴』

この絵は「耳切り事件」の後サン=レミの療養院入院していたゴッホが、外に出る元気がある時に履いた靴を描いたものです。
非常に丁寧に書き込まれており、外に出られる明るい感情やが希望が表れているのかもしれません。

芳しくない体調の中でも負の感情だけで書いたわけではないということが伝わってきます。
次は『オリーブ園』です。

ごっほ

『オリーブ園』

ゴッホはいくつかオリーブの木を描きましたが、これもそのうちの一つです。
こちらもサン=レミで描かれたもので、『星月夜』などで見られるようなゴッホ特有のうねりが見られます。

心が不安定な中で現実がどのように見えていたのかはわかりませんが、不安や苦悩が現れているようにも、新しい技法を追求
していったようにも考えられます。

最後はこちら『農家』です。

ごっほ

『農家』

こちらはサン=レミの療養院を退院した後、オーヴェールに移ったばかりの頃の作品です。
ゴッホはこれを描いた約2ヶ月後に亡くなります。

ゴッホが生涯愛し描き続けていた農家の生活を切り取ったもので、晩年らしい筆使いと、作品が描かれた背景が気に入りポストカードを買いました。

感動をそのままお土産に

ごっほ

作品紹介は以上となります。グッズも可愛いものがたくさん売っていました!

私はこれまでのポストカードに加えて、ゴッホの人気作品『花咲くアーモンドの木の枝』のハンカチとポストカード、
『ファン・ゴッホの寝室』のポストカードを買って帰りました。
この二つはこの展示会で見たものではなく、オランダのゴッホ美術館で直接見たものです。オランダで買いそびれたのでちょうどこの機会に買えました!

今回のゴッホの展示会、ネットの評価をみると賛否別れていますが個人的には楽しかったです。
確かにニッチな作品が多く、私の好みはアルル以降の作品なのでミレー作品の模写以外にももう少し絵が見たかったなーという非常にわがままな感想等ありますが、全体としてよく練られた展示会だったと思います。
ほとんどの作品には解説も付けられており、 作品の背景や制作意図を知りたい人にはぴったりです。

このゴッホ展、大阪での開催は終了し、東京では2025年12月21日まで開催されます。
その後名古屋で2026年1月3日から3月23日まで開催されます。

さらに現在神戸では2026年2月1日まで「大ゴッホ展」が開催されており、なんと日本で『夜のカフェテラス』を見ることができます。
ちなみに「大ゴッホ展」はその後福島、東京と開催されます。

ぜひANA・JAL株主優待券をご購入の上、足を運んでみてください。

 

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