2026年2月27日
満足度の高いスウェーデン絵画展へ

スウェーデン絵画展レポート

2026年1月27日(火)から4月12日(日)まで東京都美術館で開催されている「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」を訪れました。非常に満足度の高い展示会でしたのでANA・JAL株主優待販売日記をご覧の皆さまにご紹介します。
スウェーデン美術と聞くと、イタリアやフランスのように絵画において華やかな印象はないかもしれません。しかし、近年、スウェーデンの魅力が評価され、世界的に注目されています。
スウェーデンでは若い芸術家たちが1880年頃からフランスで学び、現実の生活や社会のありのままの姿を誠実に描写するレアリスム(写実主義)に傾倒しました。
その後故郷であるスウェーデンのアイデンティティを求め、スウェーデンらしい自然や日常を描き出すようになります。
本展はスウェーデン国立美術館の協力のもと、スウェーデン美術の黄金期とされる1880年代~1915年頃の作品を中心に構成。
出展作家はすべてスウェーデン人です。本展で私が印象に残った作品を、私の思い出の写真とともにいくつかご紹介します。
*作品は撮影禁止のものが多いため、スウェーデン国立美術館からの引用になります
印象に残った作品

① ニルス・ブロメール《草原の妖精たち》(1850年)

草原の妖精たち
まずはこちら。私が本展示会で一番惹かれた作品です。入場して最初に展示されていた作品で、縦横ともに1mを超える大作。
何より目を惹かれるのが真ん中で踊る女性たち。彼女たちはこの地に宿る妖精だそうです。顔の作りや髪型は皆似ていますが、よく見ると表情は少しずつ違います。
はっきり笑顔で描かれている子もいれば、ぼんやり描かれている子も。
薄い服の質感や神秘的な色彩、草原の静けさなど見事な絵画です。左中央に通りかかっている馬に乗った人間は、妖精は見えていないのでしょうか。
また、背景の「グリップスホルム城」が現実のスウェーデンであることを示し、俗世と幻想世界の融合を見事に演出しています。
作者であるニルス・ブロメールは北欧神話やスウェーデンの自然、伝統に焦点を当てたそうで、この絵にもそれがよく現れています。
ぜひ直接見て不思議な迫力を感じていただきたい作品です。
② キーリアン・ソル《レットヴィックの夏至祭の祭り》(1852年頃)

レットヴィックの夏至祭の祭り
2つ目はスウェーデンの伝統行事「ミッドサマー(夏至祭)」を描いた作品。「これぞスウェーデン」と感じさせる一枚です。
音楽、踊り、華やかな民族衣装。一方で、少し退屈そうな子どもたちの姿も描かれています。
実際にスウェーデンでミッドサマーを体験したことがあるため、絵に描かれた風景と重なり、作品がより一層身近に感じられました。

実際に体験したミッドサマーの様子

絵にも描かれているミッドサマーポール
③ カール・ラーション《カードゲームの支度》(1901年)

そして3つ目。温かみのある色の家具、机に並んだ美味しそうな果物や洗練された食器、そして子供たちや母親がカードゲームの支度をするというゆとりのある生活のワンシーン。穏やかな日常が描かれています。
カール・ラーションは、自身の家族と家をモチーフにした温かみのある作品で人気な画家。
ダーラナ地方での暮らしを描いた作品は、スウェーデン人の暮らしのお手本にもなったそうです。
他にもラーションは『キッチン(『ある住まい』より)』(1894年-1899年)の様に日々の暮らしをモチーフに繊細で心奪われる美しい絵画を描いています。
④ グスタヴ・アンカルクローナ《太古の時代》(1897年)

太古の時代
4つ目になります。写真では分かりづらいのですが、実際に見ると空の色合いがとても鮮やかで、ぜひ実際に見てほしい作品の一つです。
船首には龍の装飾が施されており、北欧で有名なヴァイキングを連想させます。また、北欧では夜明け前にあたり一面が青い光に包まれる現象が長く続くそうで、この絵ではそれが見事な色使いで表現されています。
非常に北欧らしく、伝統と自然、神秘的な世界観が融合した作品です。
⑤ ブリューノ・リリエフォッシュ《ダイシャクシギ》(1907年)

ダイシャクシギ
最後の絵がこちらです。この絵の左上に、一匹の鳥がひっそりと隠れています。この鳥はダイシャクシギと呼ばれる渡り鳥です。
夏の暖かい間だけ北欧に生息して繁殖し、冬が来る前に飛び立ちます。この絵ではダイシャクシギが周囲の自然に溶け込む様子に焦点が当てられており、自然の神秘が感じられます。
北欧の人々は自然を大切にする精神が根付いているそうですが、鳥とその特性を繊細に描いたこの絵もそれを表しています。
北欧の自然観が凝縮された作品でした。

スウェーデンの水辺
こちらはスウェーデンの水辺で撮ったものです。この静かな水辺を眺めていると、どこかに妖精が現れても不思議ではないような気がしてきます。
《草原の妖精たち》が描かかれた幻想の世界も、こうした北欧の自然から生まれたのかもしれません。
同時に、周囲の風景に溶け込むように佇む「ダイシャクシギ」の姿も思い浮かびます。
何気ない自然の中に、神秘や物語が静かに息づいている。北欧絵画の魅力は、まさにそこにあるのだと感じました。
まとめ
以上6点の絵画を紹介しましたが、他にも魅力的な絵画が非常にたくさんありました。
ショップにも、北欧らしく可愛らしいグッズが販売されています。私はポストカードと本の栞を購入しました。
本当はもっとポストカードを買いたかったのですが、売り切れの作品が多く買えず。それほど多くの人に響いたということでしょう。
当日券は、一般2300円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1600円、18歳以下・高校生以下は無料です。
また、東京以外にも山口県、愛知県を巡回予定だそうです。
本展は、華やかさとは異なる静かで深く、澄んだ美しさを感じられる展示会でした。
興味を持ったANA・JAL株主優待即納サービスをご利用の皆様は、ぜひ足を運んでみてください。


