2025年12月11日

寅さんの街・柴又で味わう昭和のぬくもり

寅さん

昭和の面影が残る下町情緒豊かな街

柴又
今回は以前にも門前町の記事で少しだけご紹介した柴又散策を、ANA・JAL株主優待券ユーザーの皆様にもう少し掘り下げてご紹介します。
以前のブログ「食べる物以外でも実は東京は魅力いっぱいな町・・・」

「私 生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で うぶ湯を使い、姓は車、名は寅次郎。人呼んでフーテンの寅と発します」
ANA・JAL株主優待券販売をご利用皆さまもご存じの映画『男はつらいよ』の主人公、車寅次郎の有名なセリフです。聞くだけであの懐かしい情景が目に浮かぶ世代の方は多いかもしれません。
現在(2025年12月)山田洋次監督の最新作「TOKYOタクシー」で話題ですが、我々中高年世代には山田洋次監督と言えば「男はつらいよ」シリーズです。

「そういえば、ずっと柴又には行っていないな」と思いつつ今回、下町情緒溢れる葛飾柴又を散策してまいりました。
当サイトのANA・JAL株主優待券販売をご利用の皆さまは空港を利用される方が多いと思いますが「葛飾柴又」は羽田空港から電車で約1時間20分、成田空港からは電車で約1時間30分とアクセスがよい場所にあります。
全国各地の観光地では新しい店舗やおしゃれな飲食店が立ち並ぶ昨今ですが、ここ柴又は昔ながらの下町の面影が残る街でした。
昭和風情のノスタルジックな佇まいを感じたい方にはおすすめの街です。

30年ぶりに訪れた京成線柴又駅。
駅の風貌は変わっていませんでしたが、駅を降りて迎えてくれたのは「寅さん像」。

フーテンの寅像と見送るさくら像

寅さん像があることは知っていましたが、その前にさくら像があることは知りませんでした。映画のラストシーンの柴又駅で発車直前の寅さんをさくらが見送る映像が目に浮かびます。困った兄の寅次郎を一番理解していたのはさくらでした。振り返る寅さん像とサンダルで見送るさくら像。これを見ただけで目頭が熱くなりました。

まず目に飛び込んできたのは古き建物「柴又ハイカラ横丁」。ANA・JAL株主優待券販売をご利用の皆さまにとっても懐かしいであろう駄菓子が所狭しと並んでいます。

昭和にタイムスリップ

奥にはピンボールや往年のスターのブロマイドがあります。お店の人の許可を取って撮影させて頂きましたが遠い日の思い出に浸る事ができるお店でした。

柴又帝釈天参道商店街を歩いてみると、ここには昔ながらの風情や古き良き商店街がそのまま残っていました。実際、商店街のラインナップは大きく変わっていないとのことです。

柴又

柴又帝釈天参道商店街(柴又神明会)

最近の観光地は新しいお店がどんどん増えているような気がしますが、この人情味溢れる商店から今にもタコ社長とおいちゃんに怒鳴られて転がり飛び出す寅さんが出てきそうな雰囲気を醸し出していました。

柴又帝釈天(正式には経栄山題経寺)に着きました。

柴又

柴又帝釈天

寅さん映画で何度このお寺を見た事でしょうか。重厚で風格のある総欅造りの二天門がなぜか懐かしく感じられました。
門を潜り敷地内に足を踏み入れ見上げれば「源さん(佐藤蛾次郎さん)」が突いていた鐘も見えます。
正面には帝釈堂が建っておりその前には見事な松が生えていました。なんでも「瑞龍の松」と言われているそうで、まさに頭を空に向け、尾を伸ばして天に昇る龍のようです。

柴又

瑞龍の松

過去に何度か来たことがありましたがこの松には全く気が付きませんでした。

ANA・JAL株主優待券販売をご利用の皆さまもあらためて訪れて気が付くことが多々あると思います。それもまた散策の楽しみなのかもしれません。
お参りして本堂の周りを歩くと「御前様(笠智衆さん)」がひょっこり出てくるような気になってしまいます。そんな帝釈天を後にして数分歩くと屋敷があります。

こちらは「山本亭」。
地元ゆかりの事業家山本栄之助翁の自宅を区が取得し一般に公開しているそうです。入館料100円でこの邸宅が見られるのは有難い限りです。
大正末期から昭和初期に増改築された当時には珍しい二世帯住宅だそうで、伝統的な和風建築と洋風建築が合わさったまさに戦前の大富豪の邸宅といった面持ちでした。

特に書院庭園は素晴らしく米国の日本庭園専門誌が実施した日本庭園のランキング調査でこの庭園が3位にランクインしたそうです。

柴又

美しい書院庭園

喫茶コーナーもありましたので散歩で疲れた体を休ませても良いと思います。

寅さんの世界へ

柴又

山本亭の大きな庭を歩き裏門を出ると目の前には小高い丘があります。この丘の下にあるのが「寅さん記念館」です。

全国にある映画や作品ゆかりの場所等の記念館や資料館に何度も行った事がありますが、この「寅さん記念館」は自分にとって上位に位置する記念館でした。
「男はつらいよ」の作品を数多く見てきたわけでもなく、特別な思い入れがあるわけでもありませんが、昭和世代の自分にとって胸の奥から込み上げる懐かしさと心の安らぎを感じられる記念館でした。

館内各所にある懐かしい「男はつらいよ」の名場面シーン。「とらや」を再現したお店とお茶の間を再現したセットでは寅さんが茶の間で語る4話のシーンが見られます。

その奥にはタコ社長の印刷工場が内部まで見られ、そこでも印刷所の名シーンが見られます。

柴又

朝日印刷所

また昭和の駅舎を再現した葛飾柴又「故郷駅」では鈍行列車の向い合わせの客車が再現されており、当時の懐かしいボックスシート席の車窓からは「男はつらいよシリーズ」で撮影された「鉄道に関する名場面」と寅さんの「啖呵売」が見られます。
昭和時代に鉄道で全国を旅していた自分にとっては懐かしい電車(機関車)や駅舎、そしてすでに廃線となってしまった鉄道風景も見ることができ、青春時代の思い出がよみがえってきました。

その他「男はつらいよ」に登場する人物の相関図や全作品のポスター画像、歴代マドンナの写真、寅さんの衣装やカバンの中身などの展示は映画ファンにはたまらないことでしょう。
また「くるまや」の模型(「くるまや」を1/16のスケールで再現)や昭和30年代の帝釈天参道の街並みのジオラマなど、若い世代でも楽しくなる展示物も多々ありました。

柴又

街並みのジオラマ

まさにタイムスリップしたような懐かしくも温かい昭和の香り漂う不思議な記念館でした。映画ファンの方だけでなく昭和に育った方、そして昭和を知らない若者世代にも訪れてほしい記念館です。これで500円はお得、当サイトのANA・JAL株主優待券を購入の皆様にも是非オススメします。

寅さん記念館の隣には「山田洋次監督ミュージアム」があり、寅さん記念館の入場券で入る事ができ、山田洋次監督の軌跡や作品の魅力に触れることができます。

柴又

山田洋次監督ミュージアム

寅さん記念館がある場所からエレベータで上がれば広大な江戸川河川敷があり、柴又と対岸の千葉県を結ぶ都内に唯一残る渡し場「矢切の渡し」があります。片道300円で乗船することができるそうです。

葛飾柴又ですが、寅さん映画が好きな人はもとより、古き良き商店街や下町情緒あふれた街並みを感じたい、大きく言えば「昭和時代」を堪能したい方には是非ともお薦めの街でした。

おすすめのランチ 「やぶ忠 帝釈天参道店」

柴又

帝釈天参道は古くからある老舗の飲食店が多かったですが蕎麦屋「やぶ忠」さんはコスパが大変よかったです。今回ANA・JAL株主優待券ユーザーのは皆様にご紹介したいのはさくら定食1500円(寅さん定食もあります)。
1500円で手打ちそば、天ぷら、みそ田楽、小鉢、山菜おろし、焼きおにぎり、デザートまで付いています。この品数と量は心もお腹も満たされました。

柴又

さくら定食

訪問時間は13時でお昼をかなり過ぎていましたが、客席は満杯の状態でした。

葛飾柴又ですが、寅さん映画が好きな人はもとより、古き良き商店街や下町情緒あふれた街並みを感じたい、大きく言えば「昭和時代」を堪能したい方には是非ともお薦めの街でした。

« 温泉街は熱海だけではない 時の流れがゆるやかな街並み 「湯河原散策」 |