2021年7月30日

この時期ならではのグルメスポット

20210730

前回のブログで祇園祭のご紹介はほぼ終わりましたが、本日の記事も少しは関係があるグルメスポットの話です。

かも川のゆか

ゆか

祇園祭は「ハモ祭り」と言われていますが、特にハモに特化した記事ではありません。
八坂神社も紋がキュウリを輪切りした時の切り口に似ているので祭りの関係者はキュウリを口にしないと言いますが、そのキュウリに関係することでもありません。
ANA・JAL株主優待券販売日記で取り上げるのは鴨川の納涼床です。
余談ですが「かもがわ」は賀茂川・鴨川・加茂川と3つの文字が当てられます。
上流の高野川と合流するまでが賀茂川でそれより下流が鴨川。
古くは加茂川という表記もあったようです。
賀茂川・鴨川の違いはこちら

ちなみに有名な神社も「上賀茂(かみがも)神社」と「下鴨(しもがも)神社」と違う字があてられています。
さらに横道にそれますが今回のブログの「床」も2通りの読み方があります。
今回取り上げる鴨川にあるのが「ゆか」で、鴨川の上流貴船にあるのが「とこ」で「かわどこ」になります。
鴨川の納涼床(のうりょうゆか)がなぜ祇園祭と関係があるに話を戻します。

神輿洗いとは

神輿洗い

先日のANA・JAL株主優待券の記事に書いた祇園祭の神輿の行事の渡御の前に「神輿洗い」というものがあります。
神輿渡御のブログ記事はこちら
「神輿洗い」というと洗車のようなものを思い浮かべられるかもしれませんが、そうではありません。
鴨川の水をくみ上げお祓いをして神輿にかけて清める神事で、前祭より前の10日と後祭が終了してからの28日に行われます。
単純に水で清めるというだけの儀式ではないところが、納涼床につながっていくことになります。

祇園祭は疫病を鎮める目的で始められたお祭りです。
現代であれば疫病の原因は細菌やウィルスのようなものとわかっていますが、当時の人にとっては何か得体のしれないものが原因だったことだと思います。
祇園祭が始まった平安時代も今でいうインフルエンザや天然痘や結核などいろいろな病に悩まされていたはずです。
その中のいくつか、今でいう赤痢などは鴨川が氾濫したあとなどに広まることが度々あり、そのことで川と疫病には何か関係があるということに気が付いたようです。
もしこれが現代であれば、下水が不十分だったり土葬されていたものが川の氾濫で町中の生活区域に溢れてそこの悪い菌がお腹に入っていたのだろうということになりますが、顕微鏡も科学的な薬もない時代ですから、川の水と病が単純に直接つながってしまったのではないかと思います。

つまり病の原因となる神様が普段いる川の水を神輿にかけることで、その神様を鎮めようとし神事がこの「神輿洗い」です。
ここからが「納涼床」につながっていく話です。
この10日から28日の間は神輿に神様が移られているので、川に神様はいらっしゃらないはずです。
その期間は川に床を出して足をつけたりしても失礼に当たらないというのが「納涼床」の起源です。
決してビヤガーデンや海の家のような、単純に季節の風物詩ではないのです。
ですから本来は今のようにGW~9月末まで半分常設のようなものではなく、ごく短い期間の楽しみでした。
ちなみに当時の床は今テレビで見るような、建物の2階から張り出したようなものではなく、縁台を川に据えたようなものだったようです。
先ほども書いたように、現在の「納涼床」は納涼と言うにはいささか早い時期から天候次第ではかなり涼しい時期まで実施されていますが、やはりイメージにピッタリくるのはこれからの酷暑の季節です。

床を楽しむ

納涼床

この「納涼床」ですが一般的にはかなり高級でしかも提供されるのは京料理といったイメージをお持ちではないでしょうか?
実は提供される料理は京料理に代表される和食だけではなく、ANA・JAL株主優待券販売日記が知っているだけでも中華・フレンチ・イタリアンのようなものまでバリエーション豊かです。
軽く喫茶店的に使えるようなカフェ的なお店や食事前後にくつろげるバーもあります。
価格も超高級店もありますが、それほど高くないお店やむしろ大衆的なお値段に近いレベルのお店もあります。
今回は、このお店がANA・JAL株主優待券販売日記のオススメというところは特にご紹介しませんが、食事内容も予算も必ずあったものが見つかるはずです。
コスパ的には一般のお店よりはどうしても悪くなりますが、これには仕方がない理由があります。

「納涼床」は野外なので当然雨が降ると営業できません。
でもその為に基本的に店内で食事ができるように同じ席数以上の場所が確保されています。
ですから雨が降ったからと言って予約をキャンセルするのは絶対にNG行為です。
すべてのお店がそうではありませんが、雨が降ったら外の床席が無駄になり、晴れていたら店内の席も埋まらないと満席ということにはなりません。
それに「納涼床」の骨組みなどは半年以上は保管しているだけです。
決して効率の良い商売とは言えないのかもしれません。

高級店ばかりというイメージの他にも床には若干誤解があるように思えます。
それは次回のテーマに使用と思っていますが、大文字に代表される大事な行事であり風物詩でもある五山の送り火との関係です。
よく観光客の皆様には、床に座ってお料理を食べながら送り火を鑑賞するという絵が思い浮かぶ方も多いかと思います。
でもかなりの場所でビルがよく見えないことに加えて、正面ではなくかなり斜めになる位置関係です。
送り火がメインであれば次回のブログを参考に観賞場所をご検討ください。
五山の送り火のブログはこちらをご覧ください

この時期に京都に行くのであれば、エアコンの効いたお店で天気を気にすることなく食事をするのもいいですが、一度「納涼床」を楽しんでみませんか?

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