2021年8月1日

京都のお盆

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五山の送り火

送り火

先日のブログに書いた祇園祭の頃から京都は夏本番に入ります。
年間を通して行事が多いのが京都ですが、その中でも特に夏場は有名な行事が集中しています。
祇園祭の次に全国的に有名なのは「五山の送り火」。
「五山の送り火」はお盆を締めくくる行事ですが、その前にも地元の皆様にとっては重要なお盆の行事がいくつもあります。
その時期の京都に行くと一部の地域ではありますが、この世とは違う異界のような雰囲気を感じることができますが、今回のANA・JAL株主優待券日記ではそのお盆の京都をご紹介したいと思います。

日本全国でもお盆には様々な風習がありますよね。
かなりすたれてきたものもありますが一般的には先祖の魂がこの世に戻ってくる時期で、その為に「迎え火」で出迎え、お供え物をし、お経をあげて供養し、最後は「送り火」で送るという一連の流れではないでしょうか?
地域によっては盆踊りが行われたりもし、その最大規模のものが阿波踊りであり以前のANA・JAL株主優待券販売日記でもご紹介しました。
阿波踊りをご紹介したANA・JAL株主優待券販売日記の記事はこちら
また長崎などはお墓で花火をするような風習もあるようです。

先祖の霊をお迎えする

ご先祖

そんな地方色豊かお盆行事の中でも、やはり京都は歴史を感じる様々な行事があるようです。
今回ご紹介するのは京都のなかで「六道の辻」と言われている場所で、鴨川に架かる松原橋を東に少し行ったあたりです。
毎年京都では「六道参り」によりお盆が始まります。
この場所より東に行くと昔の葬送場所であった「鳥辺野」です。
そういったことからこのあたりは「あの世」と「この世」の境目と考えられていて今でもこのあたりにはお寺が多くあり、その中でも有名なのが「六道珍皇寺」です。
本堂には薬師三尊像が安置されていますが、境内にある閻魔堂も有名です。
その「六道珍皇寺」にお盆になるとたくさんの方がお参りに来られます。
普段は静かな境内ですが、この時期は門を入ると両側に臨時の花屋が並びます。
※今年も花屋さんの出店は取り止めのようです

ここで販売されているのが高野槇(こうやまき)。
高野槇にのって精霊があの世から戻って来るとされているので、この時期にはかかせません。
ちなみに精霊は「しょうらい」と読み、京都の方は「おしょうらいさん(又はおしょらいさん)」と呼んでおられます。
それから水塔婆に戒名や俗名を書いてもらいます。
そのあと「迎え鐘」を撞くのですが、この鐘は恐らくANA・JAL株主優待券販売日記をご覧いただいている多くの皆様が思い浮かべられている鐘とはまったくちがいます。
鐘本体はお堂のような鐘楼の中に収められていて見ることはできません。
鐘楼から出ている紐を引くと鐘が鳴るようになっていて、正確にいうと撞くのはなく鐘を引きます。
この鐘はあの世にまで聞こえるといわれていて、「迎え鐘」の名のとおり、お精霊さんを迎える合図です。
鐘でお精霊さんを迎えたら先ほど名前を書いてもらった水塔婆を線香で浄め、そのあとさらに水で清めることで「六道参り」が完了ですます。
あとはお精霊さんを自宅にお連れすることになります。

「六道珍皇寺」以外でも「六道参り」は行われていますが、お精霊さんは何度もお迎えするわけではないので、2か所以上行かれる場合は2か所目からは普通の参拝が良いのではないかと思います。
せっかくお盆の時期に六道の辻に行かれたのでしたら、ぜひ西福寺にも立ち寄られたらいかがでしょうか?

あの世とこの世

あの世

西福寺では、六道まいりの期間中はさまざまな寺宝も特別に公開されています。
特に有名なのが『壇林皇后九想図』(九相図)。
亡くなった美心の誉高い壇林皇后が、白骨化して土に戻っていく過程を9つの絵によって表しています。
見た目の美しさとも生きている間だけのはかないものであることを伝えようとしているのでしょうか?
もう1つは地獄絵図。
様々な地獄と言われるものが絵に表現されています。
こちらは正しく生きることを少なくとも年に一度は意識するようにということでしょうか?
どちらもかなり衝撃的なものなのでお子様はご覧にならない方がいいかもしれません。

もう1つこの地域らしいものでANA・JAL株主優待券販売日記がご紹介したいのは「幽霊子育飴」。
おどろおどろしい名前ですが、幽霊が墓のなかで生まれた我が子のために夜な夜な飴を買い求めていたという「飴買い幽霊」の話がベースになっているお店です。
「飴買い幽霊」の話は他の地方にもあるようですが、ANA・JAL株主優待券販売日記が驚くのはこのお店の歴史や話の具体性。
お店は500年近く続く京都で2番目に古いお店といわれているそうです。
また、飴で命をつないだ子供はこのお店で引き取られ、その後出家して68歳まで生きたといわれているようです。
また幽霊が飴を買いに来たこと示す創業当初から伝わる銭函もあるそうで、葬送の場所近くの「六道の辻」という立地も含めて伝説でもどこかリアリティを感じます。
ちなみに「六道参り」は今年は8月7日〜10日。
感染対策を考えてオンライン参拝などもされているようなので、今の状況をリセットする意味でもいかがでしょうか?
「六道珍皇寺」の今年の「六道参り」についてはこちら

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